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PERSON

地元と世の中の
役に立ちたい。
安定×挑戦の
“レシピ開発”。

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福井 啓介

製造技術部 加工技術グループ

愛媛県四国中央市出身。福助工業の本社から徒歩圏内で生まれ育つ。「将来はものづくりに携わりたい」という思いから、大学では工学部応用化学科へ。大学時代を県外で過ごしたことで地元の良さを再認識し、Uターン就職で福助工業へ入社。研修後は製造技術部へ配属され、製品開発に携わっている。趣味はテーマパークへ行くことだが、コロナ禍で行けず現在は自粛中。

初めての開発は、
ノウハウのない新素材。

思い出深いのは、入社2年目の春。研修を終えて技術部に配属されたばかりの私は、新素材を使ったパッケージの開発を任されました。設備投資から始まる大規模な新規案件でした。開発するのは、新発売される香り付きトイレットペーパーのパッケージ。ただし従来のポリエチレン製ではなく、匂いが抜けない素材を使ったもの、という依頼です。これまで福助工業にはそんな機能を持ったパッケージはありませんでしたから、ゼロからのスタートでした。まずは原料のメーカーを探すところから。やっとの思いで1つの原料を決めたら、また別の原料を決める。組み合わせも考えなければなりません。一つひとつの原料の特性を把握して、使いこなす方法も調査して検証して……。これらの原料に適した製造設備も導入しました。ここまででもかなり困難でしたが、まだまだ苦労は終わりません。

フィルムにポツポツと異物。
改善改良の日々。

いざパッケージを作ってみると、本来ツルツルなはずのフィルムにポツポツと異物が出るなど、不具合が発生しました。発生の原因を突き止めて対策を考えるのも私の仕事ですが、これでどうだ!と思った改善策も不発。別の課題も次々と出てきました。それでも納期は迫ってきますから、出荷できる品質のものを決まった個数揃えなければなりません。開発に約2年、出口が見えないトンネルを手探りで歩き続けている気分でした。それでもなんとかやってこられたのは、営業や現場の方々、先輩社員が一緒に取り組んでくれたから。良いものをつくりたい、お客様に喜んで頂きたい気持ちはみんな一緒。営業は不安定な納期管理に追われ、現場は慣れない素材の扱いに苦戦しながらも、積極的に協力してくれたんです。出来上がった商品が店頭に並んでいるのを見たときは、これ以上ないくらい嬉しかった。もちろんパッケージに福助工業の名前が印字されているわけではありません。でも本当に、誇らしい気持ちでした。

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開発の仕事は、
料理でいう“レシピづくり”。

開発の仕事は、料理でいうと“レシピをつくる”こと。同じ野菜でも産地で味が変わるように、同じ原料でも産地やメーカーで特性が異なります。仕入先ごとの原料の特徴を調査して、他の素材との配合を考えて、テスト品を作って、評価しながらレシピを決めていきます。最終的には製造現場で量産を行うので、製造部隊ともコミュニケーションを取りながら最終確認や調整をしています。最近は環境に配慮したバイオマス原料がトレンド。福助工業もバイオマス原料を使用した製品を多く製造しているのですが、通常の原料よりも取り扱いに気を付ける必要があります。私が研修で配属された工場では、某テーマパークのお土産袋にもバイオマス原料が使用されていました。袋には内容物を保護する役割もある上、お客様のロゴやキャラクターを印刷することもあるので、当然、品質面を妥協することはできません。袋にはパークの命であるキャラクターがプリントされていて、印刷するときに目の位置がほんの少しでもズレたらダメ。難しい素材であろうとレシピや加工方法を上手くコントロールしながら、求められる高い品質水準をクリアし続けられていますが、これも福助工業のノウハウや努力があってこそだと思います。実は私、そのテーマパークの大ファンで。自らの手でお客様の顔となるパッケージをつくれたことは、一生の思い出になりました。

アットホームで泥臭い。
地元密着ものづくりメーカーの魅力。

生まれも育ちも本社がある四国中央市。普段の生活の中でも福助工業の名前が耳に入る機会もあり、ぼんやりと良い会社なんだろうと思っていました。高校生くらいで将来について考え出したとき、軽い気持ちで調べてみると、実は国内有数の企業だということを知って。地元にそんな企業があるなんて誇らしいなと感じました。また四国中央は紙産業が盛んな地域なのですが、福助工業が扱うのは紙だけじゃない。そこでも他とは違う、先進的な印象を当時受けたんです。福岡の大学に進学してからも、自分は地元が好きなので、地元企業を盛り上げることで地域に貢献したいなとUターン就職を考えていました。そこで一番に思いついたのは、やはり福助工業。説明会で話を聞いてみると、さまざまな事業を展開しつつも安定しているし、社風もアットホーム。ものづくりメーカーらしい泥臭い部分もあったりして。改めて強く魅力を感じました。

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責任とプライド、そして挑戦。

技術部へ配属されてから、最初に言われたのは「パッケージ開発で重要なことのひとつは、人の生活を豊かにしたり、より便利で暮らしやすい世の中にしたりする製品を生み出すこと」ということを学びました。パッケージは日常生活に必要不可欠なものだし、特に食品に関するものは健康にもつながります。使い捨てにされるものだからといって、軽い気持ちで取り組んで良いものではない。開発にあたっては、責任感とプライドを持つよう意識しています。お客様のニーズに応えて開発を行うことが多いですが、それ以外にも、自らの興味関心、世の中の流れも見ながら、こういうパッケージがあれば面白いんじゃないかという提案もできます。いま福助にないもの、世の中にないものの開発に挑戦することができる。生活必需品として世の中に役立つものを作れる意義と、興味に向かって取り組める面白み。両方を兼ね備えた、なかなかない仕事だと日々実感しています。

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PERSON

福助工業のひと

まったく同じ社員がいないように、福助工業での働き方は人それぞれです。福助工業で働くとはどういうことなのか。社員たちの目線から感じてみてください。